技術士第二次試験の衛生工学部門ってどんな専門用語が出るの?
令和元〜7年度の過去問に実際に頻出した「専門用語」を、”20語”に圧縮して体系的にまとめた“使える用語集” を提示するよ。
衛生工学部門は、水質管理、廃棄物・資源循環、建築物環境衛生管理の三つの選択科目があり、日本技術士会のホームページの 第二次試験 技術部門/選択科目 の「選択科目の内容」には次のように示されているよ。(こういう基本的なところ大事)
水質管理:水質の改善及び管理に関する試験、分析、測定、水処理その他の水質管理に関する事項
廃棄物・資源循環:廃棄物・資源循環に係る調査、計画、収集運搬、中間処理、最終処分、運営管理、環境リスク制御、環境影響評価その他廃棄物・資源循環に関する事項
建築物環境衛生管理:生活及び作業環境における冷房、暖房、換気、恒温、超高清浄その他の空気調和及び給排水衛生、照明、消火、音響その他の建築物環境衛生管理に関する事項
三つの選択科目は、「人の健康と環境の安全を守る」という点は共通してるけど、それぞれ独立した分野という印象だね。
専門性としてはかなり異なるので、衛生工学部門を選んだ時点で、既に選択科目も決まっているのではないかと思います。
それでは、まずは必須Ⅰから。
頻出ワードTOP10は次のとおり。
廃棄物 / 悪臭 / 再資源化 / 空気環境 / 有害物質 / 火災 / 環境基準 / 循環型社会 / 収集 / 管理
結論から言うと、衛生工学部門の必須Ⅰは、
①環境 ②公衆衛生 ③廃棄物・資源循環 ④災害・レジリエンス ⑤DX・モニタリング
という5つの領域で語彙が構成されており、ここから抽出した20語が最も出現頻度・汎用性・得点貢献度が高い。
大気汚染、水質汚濁、廃棄物、資源循環、室内環境、感染症、災害、デジタル監視といった“人の健康と環境を守る”ための社会課題 に対し、衛生工学として どのように安全性・衛生性・持続可能性を確保するか が問われる。
この20語を軸に答案を組み立てれば、どの年度の必須Ⅰにも対応できる “衛生工学OS” が手に入る。
♻️ 衛生工学部門:必須科目Ⅰ頻出専門用語20
① 環境・公衆衛生(大気・水質・生活環境)
- 大気汚染(PM2.5・NOx・VOC)
- 水質汚濁(BOD・COD・富栄養化)
- 生活環境影響(悪臭・騒音・振動)
- 化学物質管理(PRTR・有害物質)
② 健康・衛生管理(建築物・室内環境)
- 室内空気質(IAQ・CO₂・ホルムアルデヒド)
- 換気・空調管理(熱中症・感染症対策)
- レジオネラ対策(冷却塔・給湯設備)
- 建築物環境衛生管理(ビル管法)
③ 廃棄物・資源循環(処理・再資源化)
- 一般廃棄物・産業廃棄物管理
- 3R(リデュース・リユース・リサイクル)
- 資源循環(マテリアル・ケミカルリサイクル)
- 廃プラスチック問題(輸入規制・海洋プラ)
④ 災害・レジリエンス(BCP・インフラ保全)
- 自然災害リスク(豪雨・浸水・地震)
- 環境インフラのレジリエンス(耐震・冗長化)
- BCP(事業継続計画)
- 感染症リスク管理(パンデミック対応)
⑤ DX・モニタリング(データ・自動化)
- IoT・センシング(大気・水質・設備監視)
- データ活用(環境データ・衛生データ)
- AI・予測モデル(需要・リスク予測)
- スマート衛生管理(自動化・遠隔監視)
🎯 この20語が“衛生工学部門の必須Ⅰ”で強い理由
- 必須Ⅰは「衛生・環境・安全」の横断課題を問う
- 大気・水質・廃棄物・建築物衛生という3科目の共通の視点が必要
- 技術詳細よりも「公衆衛生 × 環境 × 安全 × DX」の視点が重要
- 衛生工学は“人の健康と環境を守る”部門であり、 政策・制度・管理・リスクの語彙が得点に直結
- 令和元〜7年度の出題テーマと完全に一致する語彙群
次は選択Ⅱ・Ⅲから。
同じく頻出している専門用語を20個集めたよ。
🔄️選択科目Ⅱ・Ⅲの頻出専門用語20語
🧫水質管理
水質管理は ①水質基準 ②処理技術 ③モニタリング ④リスク管理 ⑤環境政策 の5領域で整理。
① 水質基準・指標(基準値・評価)
- BOD(生物化学的酸素要求量)
- COD(化学的酸素要求量)
- SS(浮遊物質)
- 富栄養化(窒素・リン)
② 水処理技術(物理・化学・生物)
- 凝集・沈殿(PAC・アルミ・鉄)
- ろ過(急速・緩速・膜ろ過)
- 生物処理(活性汚泥・硝化脱窒)
- 高度処理(オゾン・活性炭・膜分離)
③ モニタリング・分析(測定・監視)
- オンラインモニタリング(pH・DO・濁度)
- 水質分析(ICP・GC/MS)
- 微生物検査(大腸菌群・レジオネラ)
- IoT・遠隔監視(センサー・クラウド)
④ リスク管理(健康・事故・災害)
- 水質事故(化学物質流出・濁水)
- 感染症リスク(病原微生物)
- 災害時の水質悪化(豪雨・浸水)
- リスクアセスメント(ハザード・曝露)
⑤ 環境政策・制度(規制・計画)
- 水質汚濁防止法(排水基準)
- 環境基準(公共用水域)
- 総量規制(窒素・リン)
- 流域水管理(流域治水・統合管理)
🎯 この20語が“水質管理のⅡ・Ⅲ”で強い理由
- Ⅱ-1で必ず問われる“水質悪化 × 微生物 × 災害”を網羅
- Ⅱ-2で必須の“処理技術 × モニタリング × リスク管理”が揃う
- Ⅲで書きやすい“現場 × 分析 × 改善”語彙
- 5領域(基準 → 処理 → 監視 → リスク → 政策)で体系化できる
- 令和以降の出題傾向(災害・微生物・DX・流域管理)と完全一致
🚮 廃棄物・資源循環
廃棄物・資源循環は ①発生抑制 ②分別・収集 ③中間処理 ④最終処分 ⑤資源循環・制度 の5領域で整理。
① 発生抑制(Reduce・排出管理)
- 発生抑制(リデュース)
- 排出量管理(事業系・家庭系)
- 食品ロス削減(フードロス)
- プラスチック削減(ワンウェイ規制)
② 分別・収集(リユース・分別・物流)
- 分別収集(資源・可燃・不燃)
- リユース(再使用)
- 拠点回収(小型家電・容器包装)
- 収集運搬計画(ルート最適化)
③ 中間処理(破砕・選別・焼却)
- 破砕・選別(磁選・風力選別)
- 焼却処理(ストーカ炉・ガス化溶融)
- 灰処理(溶融スラグ・飛灰処理)
- 生物処理(堆肥化・メタン発酵)
④ 最終処分(埋立・浸出水・ガス管理)
- 最終処分場(安定型・管理型)
- 浸出水処理(膜・活性炭・生物処理)
- 埋立ガス(メタン回収・発電)
- 遮水シート・環境保全措置
⑤ 資源循環・制度(3R・政策・国際動向)
- 3R(リデュース・リユース・リサイクル)
- マテリアルリサイクル(再生材)
- ケミカルリサイクル(油化・ガス化)
- 循環型社会形成推進基本法(制度・政策)
🎯 この20語が“廃棄物・資源循環のⅡ・Ⅲ”で強い理由
- Ⅱ-1で必ず問われる“発生抑制 × プラ問題 × 処理能力 × 最終処分”を網羅
- Ⅱ-2で必須の“3R × 中間処理高度化 × 資源循環”が揃う
- Ⅲで書きやすい“現場 × 運営 × 改善”語彙
- “発生 → 収集 → 中間処理 → 最終処分 → 資源循環”の循環構造で整理できる
- 令和以降の出題傾向(プラ問題・食品ロス・資源循環・DX)と完全一致
🛁 建築物環境衛生管理
建築物衛生は ①空気質 ②水質・給排水 ③清掃・害虫 ④設備管理 ⑤リスク・制度 の5領域で整理。
① 空気質(IAQ・換気・温湿度)
- 室内空気質(IAQ)
- 換気量(CO₂管理・換気回数)
- 浮遊粉じん(PM2.5)
- 揮発性有機化合物(VOC・ホルムアルデヒド)
② 水質・給排水(レジオネラ・貯水槽)
- レジオネラ対策(冷却塔・給湯設備)
- 貯水槽管理(清掃・点検)
- 給排水設備(逆流防止・衛生配管)
- 水質検査(大腸菌群・残留塩素)
③ 清掃・害虫管理(衛生・快適性)
- 清掃管理(床・カーペット・トイレ)
- 害虫・鼠族防除(IPM)
- カビ対策(湿度管理・結露)
- 廃棄物管理(衛生的保管・搬出)
④ 設備管理(空調・フィルタ・維持管理)
- 空調設備管理(AHU・フィルタ交換)
- 温湿度管理(熱中症・快適性)
- 排気・ダクト清掃(油脂・粉じん)
- 設備点検(法定点検・保守計画)
⑤ リスク・制度(ビル管法・感染症・BCP)
- 建築物環境衛生管理基準(ビル管法)
- 感染症対策(飛沫・エアロゾル)
- リスクアセスメント(ハザード・曝露)
- BCP(災害時の衛生確保)
🎯 この20語が“建築物環境衛生管理のⅡ・Ⅲ”で強い理由
- Ⅱ-1で必ず問われる“空気 × 水 × 清掃 × 感染症”を網羅
- Ⅱ-2で必須の“換気改善 × 水質管理 × 清掃標準化 × 設備保守”が揃う
- Ⅲで書きやすい“現場 × 点検 × 清掃 × 衛生管理”語彙
- “空気 → 水 → 清掃 → 設備 → リスク”の5領域で体系化できる
- 令和以降の出題傾向(感染症・換気・空気質・設備管理)と完全一致
♻️ 衛生工学部門~まとめ
衛生工学部門は、水質・廃棄物・建築物衛生という領域の違いを超えて、
「人の健康と環境の安全を守る」 という一点でつながっている。
空気を整え、水を守り、廃棄物を循環させ、建築物の衛生を維持する。
その一連のプロセスこそが、都市の健康を支え、暮らしの安心をつくる“生活環境のOS”だ。
この世界を“専門用語”で可視化すると、複雑に見えた衛生工学の体系が、
環境 → 公衆衛生 → 資源循環 → 災害・安全 → モニタリング・DX
という一本のストーリーとして立ち上がる。
自分がどの領域で価値を生み、 どんな未来の生活環境と公衆衛生を描きたいのか。
その答えは、 衛生工学という「環境と健康のインフラ」の構造を知ることから始まる。
