技術士第二次試験を専門用語で俯瞰する【上下水道部門】

技術士

技術士第二次試験の上下水道部門ってどんな専門用語が出るの?

令和元〜7年度の過去問に実際に頻出した「専門用語」を、”20語”に圧縮して体系的にまとめた“使える用語集” を提示するよ。

上下水道部門は、上水道及び工業用水道と下水道の二つの選択科目があり、日本技術士会のホームページの 第二次試験 技術部門/選択科目 の「選択科目の内容」には次のように示されているよ。(こういう基本的なところ大事)

上水道及び工業用水道:上水道計画、工業用水道計画、水源環境、取水・導水、浄水、送配水、給水、水質管理、アセットマネジメントその他の上水道及び工業用水道に関する事項

下水道:下水道計画、流域管理、下水収集・排除、下水処理、雨水管理、資源・エネルギー利用、アセットマネジメントその他の下水道に関する事項

これも既にキーワードだけど、どちらも「アセットマネジメント」を重要視していることがわかるね。

それでは、まずは必須Ⅰから。
頻出ワードTOP10は次のとおり。

漏水 / 耐震化 / 水質 / 断水 / 老朽化 / 更新 / 遠隔監視 / 災害 / 維持管理 / 衛生

結論から言うと、上下水道部門の必須Ⅰは、
①社会・制度 ②災害・レジリエンス ③環境・エネルギー ④DX・効率化
という4つの領域で語彙が構成されており、ここから抽出した20語が最も出現頻度・汎用性・得点貢献度が高い。
人口減少や老朽化、災害、環境負荷、デジタル化といった国全体の課題に対し、上下水道としてどう持続可能性を確保するかが問われる。
この20語を軸に答案を組み立てれば、どの年度の必須Ⅰにも対応できる“上下水道OS”が手に入る。

 

💧 上下水道部門:必須科目Ⅰの頻出専門用語20

以下は、上水道・下水道の両方に共通して頻出する“横断キーワード”だけを抽出したもの。 必須科目Ⅰは「上下水道共通の社会課題 × 技術課題」を問うため、語彙がかなり共通化している。

① 社会・制度・事業運営系(10語)

  1. 人口減少
  2. インフラ老朽化
  3. 持続可能性(サステナビリティ)
  4. 水循環基本計画
  5. 官民連携(PPP/PFI)
  6. 広域連携(共同化・統合化)
  7. 事業基盤強化(経営改善)
  8. 人材不足(技術者不足)
  9. 料金収入減少(財政制約)
  10. マネジメントサイクル(PDCA)

※人口減少・老朽化・水循環基本計画はR1〜R7で繰り返し出題。

② 災害・レジリエンス系(5語)

  1. 自然災害(地震・豪雨・台風)
  2. 耐震化(施設・管路)
  3. 浸水対策(内水・外水)
  4. BCP(事業継続計画)
  5. 国土強靭化(レジリエンス)

※能登半島地震・豪雨災害などがR3〜R7で頻出。

③ 環境・エネルギー系(3語)

  1. 地球温暖化(気候変動)
  2. 省エネルギー(再エネ活用)
  3. 温室効果ガス(CO₂削減)

※地球環境テーマはR4〜R7で継続的に出題。

④ DX・効率化系(2語)

  1. DX(デジタルトランスフォーメーション)
  2. スマート維持管理(IoT・AI・データ利活用)

※DXはR4以降の必須科目で急増。

🎯 この20語が“上下水道部門の必須Ⅰ”で強い理由

  • 必須科目Ⅰは 上水道・下水道の共通課題 を問う
  • そのため、社会課題 × 災害 × 環境 × DX × 事業運営 が中心
  • 技術詳細よりも 横断的・政策的・マネジメント的視点 が重要
  • 令和元〜7年度の出題テーマと完全に一致する語彙群

次は選択Ⅱ・Ⅲから。
同じく頻出している専門用語を20個集めたよ。

 

🩵 選択科目Ⅱ・Ⅲの頻出専門用語20語

🚰 上水道及び工業用水道

① 計画(需要・水源・広域)

  1. 水需要予測(人口・産業・季節変動)
  2. 水源多様化(表流水・地下水・広域連携)
  3. 渇水対策(取水制限・貯留管理)
  4. 流域管理(水源涵養・森林保全)

② 水処理(浄水プロセス・水質管理)

  1. 浄水プロセス(凝集・沈澱・ろ過・消毒)
  2. 高度浄水処理(オゾン・活性炭)
  3. 水質管理(残留塩素・濁度・有機物)
  4. 水質リスク(有害物質・異常事象)

③ 水供給(送配水・圧力・漏水)

  1. 送配水システム(導水・送水・配水)
  2. 管路更新(更新率・更新計画)
  3. 漏水対策(漏水率・漏水調査)
  4. 水圧管理(安定水圧・圧力変動対策)

④ 維持管理(老朽化・耐震・スマート化)

  1. 施設老朽化(更新需要・長寿命化)
  2. 耐震化(基幹管路・配水池)
  3. スマート維持管理(IoT・遠隔監視)
  4. BCP(事業継続計画)

⑤ 事業運営(経営・連携・再利用)

  1. 広域連携(共同化・統合化)
  2. 官民連携(PPP/PFI)
  3. 経営健全化(料金体系・財政制約)
  4. 再利用水(再生水・循環利用)

🎯 この20語が「上水道及び工業用水道」で強い理由

  • Ⅱ-1:需要・水源・老朽化・水質リスク→課題の入口となる語彙が必須
  • Ⅱ-2:浄水プロセス・送配水・更新・耐震 → 技術的対応策が必須
  • Ⅲ:維持管理・運転管理・事業運営語彙→現場・運転・マネジメントの経験を語る語彙が必須
  • 令和以降:DX・広域連携・老朽化・高度処理が急増
  • 計画 → 水処理 → 水供給 → 維持管理 → 事業運営 の5領域で整理できる

 

🔁 下水道

① 計画(流域・需要・雨水・広域)

  1. 流域管理(流域治水・総合治水)
  2. 汚水量予測(人口・産業・流入負荷)
  3. 雨水管理(内水氾濫・浸水対策)
  4. 広域連携(共同処理・統合化)

② 水処理(下水処理・高度処理・汚泥)

  1. 下水処理プロセス(一次・二次・高度処理)
  2. 窒素・リン除去(脱窒・除リン)
  3. 汚泥処理(濃縮・脱水・焼却)
  4. 再生水利用(高度処理水・中水道)

③ 管路・施設(老朽化・耐震・浸入水)

  1. 管路老朽化(腐食・破損・更新需要)
  2. 耐震化(マンホール・管路・処理場)
  3. 浸入水対策(I/I対策・不明水)
  4. 雨水貯留・調整池(ピークカット)

④ 維持管理(点検・更新・スマート化)

  1. 管路点検(CCTV・ロボット点検)
  2. 長寿命化計画(LCC・更新計画)
  3. スマート下水道(IoT・AI・遠隔監視)
  4. BCP(処理場・ポンプ場の事業継続)

⑤ 事業運営(経営・環境・エネルギー)

  1. 官民連携(包括委託・PPP/PFI)
  2. 経営健全化(財政制約・料金体系)
  3. 温室効果ガス削減(脱炭素・省エネ)
  4. エネルギー回収(消化ガス・発電)

🎯 この20語が「下水道」で強い理由

  • Ⅱ-1:流域・浸水・老朽化・汚泥 → 課題の入口となる語彙が必須
  • Ⅱ-2:処理プロセス・高度処理・耐震・更新 → 技術的対応策が必須
  • Ⅲ:点検・維持管理・運転管理・事業運営 → 現場とマネジメントの両方を語れる語彙
  • 令和以降:浸水・老朽化・DX・脱炭素が急増
  • 計画 → 水処理 → 管路・施設 → 維持管理 → 事業運営 の5領域で整理できる

 

💧 上下水道部門~まとめ

上下水道部門は、上水と下水という役割の違いを超えて、
「水の循環で社会を支える」 という一点でつながっている。

水をつくり、届け、集め、再び自然へ返す。 その一連のプロセスこそが、
都市の生命線であり、人の暮らしのOSだ。

この世界を“専門用語”で可視化すると、 複雑に見えた上下水道の体系が、
計画 → 水処理 → 供給・収集 → 維持管理 → 事業運営
という一本のストーリーとして立ち上がる。

自分がどの領域で価値を生み、 どんな未来の水循環を描きたいのか。

その答えは、 上下水道というインフラの構造を知ることから始まる。