PLATEAUから3Dの世界へ

土木


PLATEAU (プラトー)は、国土交通省が主導する日本全国の3D都市モデルの設備・オープンデータ化プロジェクトで、2024年度にデータ整備範囲は約250都市に拡大する予定となっています。
私はまち大(東大まちづくり大学院)の2021年の講義でPLATEAUを知り、PLATEAU VIEWの浸水エリアの図等を課題や演習で使用していました。
3Dについてはまち大の課題等のアウトプットとしてSketchupを使ったことがある程度で、業務で本格的に3Dを活用したことはほとんどありませんでした。
しかし最近ようやくBIM/CIMが業務でも関わってきそうなので、基本的なことから勉強しなければと思うこの頃です。
今回はその足掛かりとしてPLATEAUを触ってみました。

1.PLATEAUの用途など
都市のデジタルツインを実装するモデルとしてデータ整備が進めれているPLATEAUですが、具体的な用途としては、防災や都市計画・まちづくり分野における情報の可視化や高度化が挙げられます。また、民間企業による高度な開発や社会実装についてはユースケースリストに示されています。(*)
また、PLATEAU webサイトのLearningでは基本的な活用方法が示されています。QGISを使う私としては、TOPIC 5|GISで活用する[1/3]|QGISを使ったPLATEAUの活用に関心を持ちました。

*国土交通省 Project PLATEAU 2024年度のプロジェクト報道発表資料 参考資料より


2.PLATEAU VIEW App(港区:ちょっと冒険)
久しぶりにPLATEAU VIEW Appを使ってみました。

まず気がついたのは東京都港区の建築モデルにLOD3(開口部や立体交差などを表現)、LOD4(建物の内部までモデル化)が入っていることでした。

下図は港区にあるソフトバンク本社が入居する東京ポートシティ竹芝オフィスタワーですが、どうやらLOD4はこの建物だけのようです。表示されるまでに時間を要します。
その他はLOD2(屋根や壁などを再現)です。

PLATEAU VIEW App 港区 建築モデル:LOD4(テクスチャなし) 東京ポートシティ竹芝オフィスタワー

Google Earth 東京ポートシティ竹芝オフィスタワー

PLATEAU VIEW App 港区 建築モデル:LOD4(テクスチャなし) 東京ポートシティ竹芝オフィスタワー
スキップテラス・竹芝新八景

Google Earth 東京ポートシティ竹芝オフィスタワー
スキップテラス・竹芝新八景

LOD3はどこにあるのか見ていくと、虎ノ門ヒルズのビジネスタワー、森タワー、レジデンシャルタワーがLOD3に該当しているようです。オーバル広場や大屋根あたりをGoogle Earthと比較してみると面白いです。

PLATEAU VIEW App 港区 建築モデル:LOD3(テクスチャなし) 虎ノ門ヒルズ
左からビジネスタワー、森タワー、レジデンシャルタワー、ステーションタワー

Google Earth 虎ノ門ヒルズ
左からビジネスタワー、森タワー、レジデンシャルタワー、ステーションタワー(建設中:笑)

虎ノ門ヒルズ上空から新橋・汐留方面を臨む風景もPLATEAU(LOD4:テクスチャ有)とGoogle Earthは一致してますね。
植生モデル(拡大してみると面白いです)は環二通りに少し表現されています。

LOD3やLOD4のデータは実際は各企業などが持っていると思いますので、これをどこまでオープンにしていくのかは気になるところです。
今のところオープンデータを一般人がどう活用するかは見えてきませんが、そこに行ったらどんな景色が見えるかというくらいは役立ちそうです。


3.PLATEAU VIEW App(文京区:ちょっと実用的)
私は名古屋勤務時代に東海豪雨を経験してから、引っ越しする際には必ずハザードマップを確認しています。もちろん文京区に引っ越ししてくる際も調べました。ハザードマップに頼らないとするなら古くからある神社やお寺の近くなら洪水で浸かることはないかと思います。(お寺の近くは住むにはちょっと怖いかも)

文京区自宅周辺についてPLATEAU VIEW Appで見てみました。
文京区は建築モデルLOD2(テクスチャなし)までなので面白くないのですが、建物は用途別に色分け表示が可能です。青色は文教厚生施設で、国土交通省の建物用途によると次の表のとおり学校、図書館、博物館、病院、神社などです。緑色は住宅で、青色の施設に比べて浸水エリアに多く分布しているように見えます。文教厚生施設はたいていは安全な所にあり、避難所になったりもします。
引っ越しする際には、文教厚生施設の近くで浸水エリアでない所を選ぶことで浸水等の災害リスクを回避・低減できそうです。また、若干浸水エリアに入っても5階程度であれば十分垂直避難となるので、中層マンションがいいですね。
こういった一般人のPLATEAU活用はありだと思います。(現時点ではこの程度)

という私はそろそろ引っ越ししたいなと考えており、
・南向き
・目の前がオープンスペースで建物が無い
を条件に加えて不忍池西側エリアを狙っているところです。
「目の前がオープンスペースで建物が無い」はかなり重要で、ただの空地だと目の前にマンションが建ったりします。そんなかわいそうなマンションが実際にあったりするので、目の前のオープンスペースは公共用地(公園や池など)であることが理想です。

ということで、今回はPLATEAUをちょっと触ってみた程度ですが、QGISとの連携やBIM/CIMに関する知識習得を進めていこうと思います。

<参考>建築物のLOD