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科学的管理法から学ぶ

マネジメント

プロマネやるなら経営工学。
ということで経営工学をゼロから体系的に学ぶことに着手した。
(いつもは”ですます調の敬体”ですが、今回は雰囲気を変えて”である調の常体”で書きます)

1.経営工学のはじまり
経営工学とは何だろう?とりあえずネットで検索した。

まずはWikipediaより
経営工学(けいえいこうがく、英: Engineering Management)は、人・材料・装置・情報・エネルギーを総合したシステムの設計・改善・確立に関する活動である。そのシステムから得られる結果を明示し、予測し、評価するために、工学的な分析・設計の原理・方法とともに、数学、物理および社会科学の専門知識と経験を利用する。
経営工学は、インダストリアル・エンジニアリング(英: industrial engineering、IE)に由来し、企業や工場における生産性の向上を図るために生まれた学問分野である。フレデリック・テイラーが、作業方法とその管理の客観化、合理化を図ろうとした「科学的管理法」に端を発する。


経営工学は生産性向上のための学問でシステムの設計・改善・確立に関する活動と理解しよう。
「科学的管理法」という本は重要そうだ。

次に「経営工学についてきちんと理解したいあなたへ」という文書に辿り着いた。
そこには経営工学のイメージをフレデリックW.テイラーの「科学的管理法」という本に書かれていることを引用して説明が示されている。
ひととおり「経営工学についてきちんと理解したいあなたへ」を読み、「科学的管理法」の本を買うことにした。

2.素通りしていた科学的管理法
「現代経営の第一歩は、テイラーから始まった。テイラーを知らずして、マネジメントを語ることはできない。この歴史的偉業を風化させてはならない。」と一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏のコピーが帯に書かれている。
私は管理職になる前に技術士(総合技術監理部門)を取得しているが、テイラーを素通りしてきたのか?
恐る恐るネットで『総合技術監理 キーワード集 2024』を開き、「科学的管理法」を検索。
すると、3.人的資源管理 3.1 人の行動と組織に「テイラーの科学的管理法」というキーワードが出てきた。
そこで、「技術士制度における総合技術監理部門の技術体系/平成16年1月 社団法人 日本技術士会」を確認する。
やはり3.人的資源管理にキーワードとして「科学的管理法」が示されている。
さらに3.3.3 人間関係管理に「それまで主流であった人間を機械視する傾向がある科学的管理法から、人間関係を重視した管理の重要性を示したという意味で画期的な実験であった」という一文を発見した。
ん?なんか否定的な書きっぷりだ。
これはテイラー後のメイヨーとレスリバーガーによるホーキンソン実験との対比で書かれているので仕方ない。
そこで総監の勉強時にはテイラーは素通りすべく素通りしたと腑に落ちた。
ホーキンソン実験というものも調べておく必要がありそうだが、ひとまずテイラーの「科学的管理法」について話を進める。

3.科学的管理法とマネジメントの本質
これまでマネジメントに関しては技術士(総監)や管理職に関する本等を通じて学んできた。
それなりにマネジメントをしてきたつもりであったが、振り返ってみると何故マネジメントが必要なのか?マネジメントの意義は何か?について深く追求してこなかったように思う。

テイラーはの言葉はこうだ。
「旧来のマネジメントにおいては、成果が上がるかどうかは、働き手の自主性を引き出せるかどうかにかかっているが、実際に自主性が発揮される例はごくわずかにとどまっている。」
「最前線の働き手に、科学的データの収集・整理、活用などを行う能力があったとしても、機械を操作しながら同時にデスクワークをこなすのは物理的に不可能だ。」
「先を見通してプランを立てるのと、実作業をこなすのとでは、一般には異なるタイプの人材が求められる。」
「どれほど腕のよい機械工であっても、指導者から毎日のように助けを得ない限り、持てる力を存分には発揮できない。」
「科学的管理法は必然的に、(旧来の)自主性とインセンティブを柱としたマネジメントとは比べものにならないほど大きな成果を会社と働き手の両方にもたらす。」
経験則ではなく科学、不協和音ではなく調和、単独作業ではなく協力、ほどほどでよしとするのではなく最大限の出来高、一人ひとりの仕事の効率アップと豊かさの追及
「マネジメントの目的は、雇用主に限りない繁栄をもたらし、併せて、働き手に最大限の豊かさを届けることであるべきだ」

そして科学的管理法は次のようにまとめられる。
①経験則ではなく科学的データに基づく手法を取り入れる
②マネジャーが科学的関連から人材の採用、訓練、指導などを行う
③部下と力を合わせて科学的手法の原則を現場の作業に反映させる
④マネジャーと働き手は仕事と責任を分け合い、マネジャーに適した仕事はすべてマネジャーが引き受ける。

科学的管理法は人間を機械視していたのか?むしろ人間観察と人間理解に重きが置かれていると私は受け止めた。それがマネジメントの本質であろう。

何故マネジメントが必要なのか?マネジメントの意義は何か?
科学的管理法にその答えがあった。