技術士二次試験 筆記試験対策(その3)

技術士

選択科目Ⅱ-2
選択科目Ⅱ-2は、各科目で共通する事項の他、実際に業務を行う上での、段取り(マネジメント)や調整事項(リーダーシップ)が問われます。(600字×2枚で解答)

日本技術士会 ”平成31(2019)年度 技術士試験の概要について” より
<概念>
これまでに習得した知識や経験に基づき,与えられた条件に合わせて,問題や課題を正しく認識し,必要な分析を行い,業務遂行手順や業務上留意すべき点,工夫を要する点等について説明できる能力
<出題内容>
「選択科目」に関係する業務に関し,与えられた条件に合わせて,専門知識や実務経験に基づいて業務遂行手順が説明でき,業務上で留意すべき点や工夫を要する点等についての認識があるかどうかを問う。
<評価項目>
技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)のうち,専門的学識,マネジメント,コミュニケーション,リーダーシップの各項目

選択科目Ⅱ-2について問題フォーマットと解答フォーマット(参考)を示します。
記述にあたっては、主体的な立場(リーダーシップ)であることが前提です。

選択科目Ⅱ-2
問題フォーマット
・・・・・。あなたがこの業務の担当責任者として、〇〇〇(に従事するものとして/の検討及び必要な手続きを進めるに当たり/の作成を担うものとして)、下記の内容について記述せよ。
(1)〇〇〇について、(調査、検討すべき事項/重要な事項を2つ以上/考えられる整備手法を1つ以上 等)挙げ、それぞれの事項ごとに検討すべき内容について説明せよ。
(2)詳細を進める手順を列挙して、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。
(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

解答フォーマット(参考)
<1問目で解答用紙1枚目の80%程度、残りは2問目と3問目となる配分イメージ>
1.調査、検討すべき事項(重要な事項/考えられる整備手法 等)
 ※業務計画等をイメージし、着手時点の視点で列挙します。以下は例です。
(1)組織(プロジェクトチーム/審査委員会等)の立ち上げ
  説明文・・・・(以下同じ)
(2)方針及び前提条件の確認
(3)現状の把握と課題整理
(4)課題に対する検討事項の整理
(5)比較検討と最適案の評価、選定
(6)事業化計画(発注図書作成/計画書とりまとめ 等)

2.業務を進める手順と留意すべき点、工夫を要する点
※着手から完了までのプロセスを項目毎に取り上げて、その中で留意、工夫すべき点を記載します。(項目毎に留意、工夫のどちらかでも問題なさそう)
※工夫、留意する点は、指針や手引きでも書かれていること、計画どおりにうまくいかないこと、結果を左右する判断基準等について記載すると良いと思います。以下は例です。
(1)準備段階
 プロジェクトメンバーを組織し、要求される事項に対処できる人員を配置し、役割分担を明確にする。過去の類似業務や失敗事例等を確認し、本業務に活用する等の工夫も盛り込む。また、本業務の基本的な方針や前提条件を整理しておく。
(2)調査段階
 既存資料の収集・整理、関係者へのヒアリング等により現状を把握する。調査結果は、事実、意見、要望などに分類整理し、定量的に公平な視点で評価することに留意する。また、あるべき姿を達成するための目標を設定し、現状と目標の乖離状況等の課題を整理する。
(3)検討段階
 課題解決策について、調査結果や文献・事例等を基に複数の検討案を作成する。検討案はイニシャルコストだけではなく、供用期間中の維持管理コストも考慮し、施工性や実現可能性、工期、維持管理性、安全性、環境への影響等についても検討を行う。
(4)選定・評価段階
 複数の検討案からの選定する作業は比較表等を活用し、前述の検討事項毎に評価項目を設けて可能か限り定量評価を行う。評価に当たっては発注者と協議のうえ、評価項目に優先度や重みづけの設定を行う。
(5)成果のとりまとめ
 課題解決策として採用する案について、具体的な事業スケジュール、事業費を整理し、事業の実施に向けた関係法令や協議事項等も含めてとりまとめる。また、説明用に要点をまとめた概要版を作成する。

3.業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策<4~5行程度>
※発注者、関係部局、協議を要する機関、議会、住民等、実際に説明や調整、許可を得る必要がある相手方を列挙して、具体的な調整方策を記載。以下は例です。
 業務の着手段階から事業の目的と調整が必要な事項について関係者(※具体的に列挙)に説明を行っておく。また、その中で、必要となる申請や届出が必要な事項を確認する。特に、方向性を左右する関係機関(議会、住民等)については、決定案に至った背景や根拠を示し、わかりやすい資料の作成に努め(理解の獲得に努める/合意形成を図る。)

以上、専門用語が含まれていない一般的な内容ですが、適宜専門用語やキーワードを取り入れる形で解答は作成できます。
繰り返しになりますが、段取り(マネジメント)や調整事項(リーダーシップ)が肝です。