技術者の経歴~マイ・トラレコの作成

エンジニア

技術者の経歴~マイ・トラレコ(自分のための経歴書)を作成しよう

技術者に限らずですが、ビジネスマンにとって業務の経歴はとても重要です。
資格は取得した時点で一定の力量を有していることを客観的に評価してくれますが、特定の業務について実績をどの程度有しているかを示すためには、過去の経験をしっかりと管理しておくことが必要となります。

業務の経歴を整理する機会としては、
・業務上で経歴を求められるとき
・資格試験で受験資格を整理するとき
・転職を考えるとき
などがありますが、1年に1度は経歴をアップデートすることをおススメします。


1.いろんな業務経歴書の項目
1)就職活動の履歴書
就職活動で一般的に使われている履歴書の項目には、
・学歴
・職歴
・資格、免許
・特技、趣味
などの項目があります。
この「職歴」は
「○○株式会社○○部○○課に配属」
「○○株式会社○○部○○課に異動」
など主に所属に関する情報が主ですが、そこで何をしたのかを記載すると、
「○○株式会社○○部○○課にて、新規事業の企画・提案活動」
となります。
あまり詳しい情報までは記載できるスペースがないので、「職務経歴書」を別途用意することが一般的です。
この履歴書は、就職活動をしなければ作成することはないのですが、いざ作成しようとすると過去の履歴書を引っ張り出してきて、最新版のものを作成することになり、これは意外と手間がかかるものです。

2)業務上で提出する経歴書
公共事業などで配置する技術者の経歴書は、
・学歴
・職歴
・資格
・業務経歴
などの項目があります。
最も重要なのは、業務経歴でその業務に必要とされる経歴を有していることを明確に示すため、
契約の相手、業務名称、業務概要、立場などを簡潔に記載することになります。
この経歴書は、最低でも1年に1度はアップデートする必要があります。
業務実績を積み上げ、昇進昇格や資格取得状況も反映して、年々立派な経歴書へと変化していきます。

3)欧米の履歴書
欧米の一般的な履歴書(CV* )の項目としては、
・CAREER SUMMARY
・JOB EXPERIENCE
・SKILLS
・CERTIFICATIONS
・LANGUAGE
・EDUCATION
・INTERESTS
などの項目があり、日本の就職活動の履歴書と業務上で使用する業務経歴書を合わせたような内容です。
CAREER SUMMARYでは土木技術者として設計○○年、管理職としてマネジメント歴○○年などわかりやすく表現し、JOB EXPERIENCEでは日本の職務経歴書のように、契約の相手、業務名称、業務概要、業務内容、役割などを示すことになります。

「○○歴○年」という表現はプロフィールなどで見かけますが、定量的でわかりやすいため国内の履歴書や経歴書でも表現した方がよいですね。

*:Curriculum Vitae(カリキュラム・ビタエ)の略で、ラテン語で「人生の行路」

2.マイ・トラレコの作成・管理
このように、いろいろなタイプの業務経歴書があります。
でも、これらは経歴書の読み手のために作成されるものです。

自分のための経歴書を常に持っていたい
そう思いませんか?

自分のための経歴書を持っていると、例えば、
・自分のための経歴書の中から必要な情報を履歴書や経歴書展開しやすい
・実績を積み上げている状況が一目でわかる
・今後の計画を立てるためのフォアキャスティングの材料となる
・定量的なデータがあれば時系列の変化を捉えることができる
・そのまま人生の年表になる
のようなメリットがあります。

私は、自分のための経歴書を毎年アップデートするようにしています。
その項目は、
縦軸
・和暦/西暦
横軸
・年齢
・所属
・役職
・主として従事した業務概要と役割
・資格状況
・年収
・年収を評価するための指標(国土交通省設計技術者単価の平均値)
となっています。

ポイントは、主として従事した業務概要と役割においては、1年の中で代表的な業務を1つ絞ることです。
1年の中の代表業務を選ぶことができれば、過去5か年での代表業務、過去10か年での代表業務も選ぶことができ、「あなたの代表業務は何ですか?」と問われてもすぐに答えられるからです。

そして、年収と年収を評価するための指標(私の場合は国土交通省設計技術者単価の平均値。公務員の平均年収等でも可)を示すこともおススメします。
これによって、自らの成長や所属する業界の待遇面との対比もでき、そのトレンドを使って今後どのような手を打つべきかを考える材料にもなります。

この「自らのための経歴書」。
以前は「社歴概要シート」なる名前で管理していたのですが、”社歴”ではなく”私歴”なので、これを機に次のとおり新たな名前に変更しました。

自らのための経歴書・・・私の実績=マイトラックレコード(My Track Record)
略してマイ・トラレコ。

トラックレコードとは、株式投資などで使われている「過去の実績や運用成績の履歴」を指す用語のようですが、”積み上げた実績を過去に遡って見る”という意味で、個人や会社の実績という意味でも使われているようです。

ビジネスマン(サラリーマン)は、スキル、経験、時間という資本を元手に、給与という形で対価を得ています。
よって、マイ・トラレコを作成、管理することは、自らの資本を管理することであり、如何にして収益に結び付けるかという視点で考え、行動するために不可欠で基礎的な活動(=マイ・アセットマネジメント)であると考えます。
給与で得たお金を自ら以外に投資する場合は、概ね通貨の単位で見ることができますが、自らへの投資についても何らかの形で見える化して管理したいですね。

そこで、ふと気がついたのですが、スキル、経験を得るために投資した費用や時間も併せて管理した方が良さそうです。

よって、今後は
・学習時間
・CPD(詳細は技術士CPD実績管理活用システムを利用)
・スキルアップ必要経費(書籍、資格試験受験料ほか)
といった自己投資についても
マイ・トラレコにて管理していきたいと思います!


3.まとめ
マイ・トラレコの項目をまとめると次のとおりです。
アップデートのタイミングは、年始や年度初めがよいと思います。
なお、年単位とするか年度単位とするか迷うところですが、私の場合は、基本的に年度単位として年収だけは年単位としています。

是非、入社当時まで遡って作成してみてください!

マイ・トラレコ管理項目
縦軸
・和暦/西暦
横軸
・年齢
・所属
・役職
・主として従事した業務概要と役割
・資格取得状況
・年収
・年収を評価するための指標
・学習時間
・CPD
・スキルアップ必要経費

最後に参考までに、とある技術屋(建設関連)の年収推移と時の政権を整理したグラフ(マイ・トラレコの副産物)を掲載します。