転機

技術士

「鈴木さんも社会人になってから勉強始めた感じですか?」
27歳のある日、同世代のお客さんからこんな質問がありました。
なんでこんなこと聞くんだろう?と思いながら「あ、はい…」と返答。

「どうやって勉強してるんですか?」と追加の質問。
あ、そういうことかと思いながら、参考までに当時読んでいた本を紹介しました。

実際のところ、大学は卒業したものの、仕事をしながら知識不足を実感していました。
土木工学に関わる、土質力学、水理学、構造力学、施工などの基礎的な知識は社会人になってから教科書で学び直しが必要な状態でした。オーム社の「絵とき」シリーズにもお世話になりました。
自分がしっかり理解できていないと人にわかりやすく説明できない…
お客さんに安心感を与えられない…
大学時代、しっかり勉強しておけばよかったと反省しました。
社会人になってから気づき、必要に迫られてからの守りの勉強
お客さんは私のどこかにこの状態を感じ取ったのではないかと思いました。

その年に、たまたま大学の同級生の集まりがありました。公務員、ゼネコン、コンサル等で働く同級生の活躍ぶりを聞く中で、コンサル勤務の友人が一級土木施工管理技士を持っていることを聞きました。これには衝撃を受けました。
(やばい、先を行っている。)
技術士を取りたいと思いながらも、まだ何も手を付けていませんでした。
急に焦りを感じました。
何とかしなければと思い、今の自分でも挑戦できる資格を探し始めました。
運よく、別のお客さんの仕事で施工監理の仕事も担当していました。
実務経験を積んでチャレンジしよう。一歩先を見据えての攻めの勉強も必要だ。
ここから、資格試験への挑戦が始まりました。

反省、焦り、気づき
この転機を与えてくれた、お客さん、友人に感謝です。

戦績
28歳 技術士一次試験×
29歳 技術士一次試験×、土地家屋調査士×、一級土木施工管理技士〇
30歳 技術士一次試験〇、一級建築士学科試験〇、同製図試験×、土地家屋調査士〇
31歳 技術士二次試験(水道部門)〇、一級建築士製図試験〇
37歳 技術士二次試験(総合技術監理部門)×
38歳 技術士二次試験(総合技術監理部門)〇
43歳 技術士二次試験(上下水道部門:下水道)筆記試験○、口頭試験×
45歳 技術士二次試験(上下水道部門:下水道)×
50歳 技術士二次試験(建設部門)令和5年度
〇:合格、×:不合格

不合格は何度か味わいましたが、負けるべくして負けたという実感がありました。
まさに、野村克也さんの名言の後半部分「負けに不思議の負けなし」です。
敗因を分析して、次の試験に向けて確実に勝てる準備をする。
負けることも、悔しい思いも、次に向けての準備にすぎない。