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建設コンサルタントとは?建築設計業!?

コンサルタント

先日、”いえいろは_建築取材”さんの「上下水道コンサルタントで働かれている方へのインタビュー」という形で取材内容が公開されました。
約1時間の取材の中で、学生向けにわかりやすく仕事内容についてお伝えしたつもりですが、そもそも上下水道コンサルタントや建設コンサルタントって何なのか疑問に思う方もいると思います。

上下水道コンサルタントは建設コンサルタントの一種であるので、ここでは「建設コンサルタントとは何か?」について掘り下げてみます。

1.根拠法令等
建設業には建設業法がありますが、建設コンサルタントには建設コンサルタント法という法令はなく、明確な法的位置づけは無いようです。
いきなり拍子抜けしてしまいそうですが、次の法律には建設コンサルタントが定義されています。

公共工事の前払金保証事業に関する法律
第十九条
三 土木建築に関する工事の請負を業とする者又は土木建築に関する工事の設計若しくは監理若しくは土木建築に関する工事に関する調査、企画、立案若しくは助言を行うことの請負若しくは受託を業とする者(以下「建設コンサルタント」という。)

建設コンサルタントは建設関連業の一つという位置づけになります。
産業分類では建設業でも製造業でもなく学術研究、専門・技術サービス業に該当します。
さらに細かく分類すると土木建築サービス業建築設計業のようです。
(職業欄には土木建築サービス業又は建築設計業と書こう)

建設コンサルタントはインフラ等のモノを作るためのサービスを提供する職業です。

総務省 日本標準産業分類(令和5年6月改定、令和6年4月1日施行予定)
大分類 L 学術研究、専門・技術サービス業
 中分類74 技術サービス業(他に分類されないもの)
     742 土木建築サービス業
      7421 建築設計業
      7422 測量業
      7429 その他の土木建築サービス業


2.建設コンサルタントの登録
建設コンサルタント登録制度は、主に土木に関する21の登録部門の全部又は一部について建設コンサルタントを営む者が、一定の要件を満たした場合に、国土交通大臣の登録が受けられる制度です。登録の有無に関わらず、建設コンサルタントの営業は自由に行うことができるとされています。(とはいえ入札参加資格等で建設コンサルタント登録が前提となることが一般的です)
建設コンサルタントの登録については、国土交通省の建設コンサルタント登録規程に示されています。

建設コンサルタント登録規程
第三条  (登録の要件)
登録を受けようとする者は、次に該当する者でなければならない。
一 登録を受けようとする登録部門ごとに当該登録部門に係る業務の技術上の管理をつかさどる専任の者で次のいずれかに該当するものを置く者であること。
イ 登録部門ごとに、それぞれ別表の下欄に掲げる要件に該当する者
ロ 学校教育法による大学又は高等専門学校を卒業した後登録部門に係る業務に関し二十年以上実務の経験を有する者その他の者であつて、国土交通大臣が登録部門ごとにそれぞれ別表の下欄に掲げる要件に該当する者と同程度の知識及び技術を有するものと認定したもの
二 建設コンサルタント業務に関する契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有しないことが明らかな者でないこと。

別表を一部抜粋しますが、「業務の技術上の管理をつかさどる専任の者」(技術管理者)は一般的には技術士です。(都市計画及び地方計画部門は5年以上の経験を有する一級建築士も可)

さらに詳しく知りたい方はこちらを 令和5年度建設コンサルタント白書

3.協会や企業等による建設コンサルタントの説明
建設コンサルタンツ協会やその代表的な会員企業が示す「建設コンサルタントとは?」について調べてみました。
①(一社)建設コンサルタンツ協会 「建設コンサルタントとは」 より
道路、河川、ダム等の社会資本整備は国民の生命と暮らしを守り、戦後の経済成長を支え、成熟した社会形成のために重要な土台を築いてきました。建設コンサルタントとは、これらの社会資本の実現に向けて、調査計画や設計等に関する技術コンサルティングサービスを行うこと(またはそれを行う人のこと)です
②日本工営(株) 「建設コンサルタントの役割」 より
顧客の要請を受け、社会資本を整備するうえでの真の課題は何かを掴み第三者目線で各工程において実現に向けての最適解を導き出し、その地域の発展に貢献するのが建設コンサルタントです。
③パシフィックコンサルタンツ(株) 建設コンサルタントとは より
社会インフラサービスを、「計画+調査+設計+管理」の側面からプロデュースする仕事です。
④(株)建設技術研究所 建設コンサルタントとは より
建設コンサルタントとはインフラ全般に関して総合的にプロデュースやアドバイスをし、クライアントをサポートする役割を担っています。

建設コンサルタントとは何なのかについて理解が深まりますね。
建設プロデューサー、建設アドバイザーという表現は一般の方にはイメージしやすいかもしれませんね。

4.私が考える建設コンサルタント
建設コンサルタントで28年、技術管理者として19年の私が考える建設コンサルタントは?
一言でいえば建設関連の事業者(施主)の相談に乗って課題を解決する職業です。
コンサルタントは参謀。陰の立役者的な存在。主役は事業者です。

設計だけでなく、計画や事業、財政や経営にまで関わることができると、私はコンサルタントですと言っても良いかなと思っています。

設計屋からコンサルタントらしくなるきっかけは、ちょっとした相談からだったりします。
まずは相手の話を良く聞くことですが、それ以前に相談事を話してもらえるような信頼関係の構築が前提となります。そして、いざ相談を受けた際にその「期待に応えることができるか?」と仲間ゴト・自分ゴトのように考える思考に至ればコンサル的な仕事に首を突っ込むことになります。(自分の範疇でなければ受けるべきではありませんが、解決できる別の方を紹介する等の寄り添った対応は可能です。)
相談に乗ることはビジネス(営業)の始まりです。

私としては相手、課題、専門性、支援、対価の5つは、職業としてコンサルタントを行う際に外せないポイントだと捉えています。
そしてある方のお言葉を借りれば「対価(報酬)は問題解決の大きさに比例」します。
参謀として殿(事業者)を喜ばせるほど、ご褒美は大きくなる!
そんなお仕事です。