博士か技術士か

エンジニア

「技術者諸君 博士か技術士になろう!」(亀尾恭司 著 2022年11月15日発行)
を読んでみました。

1.著者情報
まずは著者について
電子工学修士、技術士(電気電子部門)、昭和19年2月生まれ・・・なんと来月御年80歳です!
著者の亀尾さんの年齢は、読み終えてから知りましたが、おそらく77~78歳で執筆されたと思います。
文章の雰囲気からはそれほどの年齢を感じさせず、幅広い世代に馴染みやすい表現で書かれています。
技術士は20年前の平成15年度に合格されているようで、当時は59歳かと思います。
これらの情報だけでもバイタリティーの高さを感じます!!!

2.著者が伝えたいこと
冒頭から「皆さんは一体どうして技術屋なんぞなったのだろうか?」という投げかけ。
(そう、私はまさに技術屋なんぞです。)と思いながら読み進めます。

”技術屋を卒業する前に、技術屋であった証として技術士の資格を取ろう”
”技術者なら、博士か技術士になっていただきたい”
”博士は難しくても、せめて技術士資格を取ろう”

亀尾さんのご経験からの熱い想いが伝わってきます。
共感することも多かったのであっという間に読み終えてしまいました。

3.博士や技術士を取ればバラ色の人生か?
この本では、博士と技術士のメリットやデメリット、それぞれの取得方法の概要などが示されています。
博士や技術士を取れば人生はバラ色・・・もちろんそんなことはないのですが、博士や技術士の現実が示されているので若手技術者や学生に読んで欲しいと思いました。読んでみて博士や技術士にはなりたくないな・・・と思うのであれば、早い段階で別の道(政治家、医者、弁護士など)を探すことができます。
しかし、技術屋として生きるのであれば、博士か技術士を取得した後の世界を知らないのはもったいない。要するに博士や技術士をどう使うかであり、博士や技術士は使えるツールということです。

4.博士か技術士か
博士か技術士か。
研究好きな研究者は博士、モノづくりが好きな実務家は技術士という住み分けできるので、同じ土俵では比較できないと私は思います。

博士で技術士。
私の周りにもいるので世の中には割といると思います。両方あるに越したことはありませんが、どちらも必要ということはほとんどないでしょう。

目的に応じて必要なものを取得すれば良いのですが、博士であれば技術士取得のハードルはそれほど高くないと思います。
逆に技術士取得後に働きながら博士を取るのは、よほど研究好きでないと難しいというのが私の実感です。
なので何もない技術者がどちらかを取るとしたら”博士は難しくても、せめて技術士資格を取ろう”というのはひとまず正解かと思います。

5.いつかは博士に
それでもいつか博士が取りたい・・・もう必要性というよりも趣味や自己満足の領域になってきますが、今はそれが可能な時代です。
東大まちづくり大学院の同期で博士課程へ進む方が複数名いましたがいずれも私よりも年上の方でした。(時間的、経済的に余裕があります)
ある年齢を超えたら博士は道楽で取るもの!と思っていいでしょう。
野望は捨てずに持ち続けたいですね(笑)
いつかMIT(日本校)へ!(研究テーマ未定)