技術士になると何が得られる?
技術士はどんな能力が求められる?
技術士試験の全体像は?
技術士試験は難しい?
そんな疑問に、私はお答えできます。
わかりやすく、技術士試験の捉え方を示していきます。
1.技術士となって得るもの
技術士となって何を得るか?
私の答えは、実利、信用、哲学です。
技術士取得の三大意義
①資格としての意義
建設・上下水道分野では、資格として明確な実利を生む。
技術提案・入札・業務範囲に直結する“機能する資格”。
②称号としての意義
企業の看板に頼らず、個人としての技術力と判断力を示せる。
技術者としての“独立した信用”を得るための称号。
③思想としての意義
倫理・社会的責任・技術観を問われる試験を通じ、“哲学を持った技術者”であることが裏付けられる。
本田宗一郎は言った。
『技術者は哲学を持て』
技術士資格は、生かすも殺すも自分次第ですが、個人的には特に「③思想としての意義」が大きいと感じています。
2.技術士試験で問われる能力
技術士二次試験で問われる能力は、
①専門的学識
②業務遂行能力
の二つに大別されます。(技術者のロードマップ参照)
①は、学習と経験で“積み上がる”力。
②は、日々の業務や顧客との対話で“広がっていく”力。
この二つの力は独立しているようで、実際は立体的に絡み合って育ちます。
だからこそ、育成環境の影響は想像以上に大きい。
扱う案件の幅、任される役割、フィードバックの質。
これらが①の蓄積スピードも、②の拡張の方向性も左右します。
国は35歳前後で到達するように設計しています。
若くして到達できるかどうかは、今の環境で必要な経験を取りに行く姿勢、この構造を理解して育成する組織風土の双方にかかっていると考えます。

3.技術士試験の全体像を捉える
技術士二次試験
つかみとして
必須科目Ⅰ
この問題、どう解決する?我が国の技術者として
選択科目Ⅱ-1
これくらいは知ってますよね(笑)
選択科目Ⅱ-2
この仕事、舵取りできますか?
選択科目Ⅲ
この問題、どう解決する?今どきの専門家として
敢えて解説しませんが、もうホントにこれに尽きます。
4.技術士試験の落とし穴
技術士試験は難しい?
技術士二次試験を受ける人は、一次試験を突破して相応の経験を積んだ人です。
知識としては十分、又は少し不足していたとしても自己学習で補完すれば合格に到達可能な水準にあると思います。
よって、知識、経験は一定以上はある。
では、何が足りないか?
それは試験の戦い方に関する情報です。
試験は情報戦。幸い、今は情報はいくらでも入手可能。
でも、誤った情報を掴まされると混乱の元になります。
世の中で技術士試験が難しいものと思わせているものの一つとして、
筆記試験の答案を「論文」と呼ぶことが挙げられます。
俺、論文苦手なんだよな・・・
なんて方は、入口の段階から苦手意識を植え付けられてしまいます。
さて、この技術士筆記試験。
みんな「論文」と呼ぶから、本質がズレやすい。
型のある『解答だよーっ!』って、私は声を大にして言いたい。
求められているのは、
技術者としてどう考え、どう判断するかを丁寧に示すことです。
カッコよく論じる、起承転結を意識するなんて一切不要。
設問で問われていることにストレートに答えるだけです。
だから、あるべき「解答」の姿はこのくらいで十分!
- 問いにまっすぐ答えている
- 読み手がすっと理解できる
- 公的な情報が土台にある
- 技術の応用が示されている
- 技術者としての俯瞰がある
これができていれば、
それは立派な“技術士の解答”です。
技術士試験について、先輩の苦労話を聞くことがあると思います。
でも、”難しく考えないこと”がこの試験を突破する秘訣です。
問われたことに答える。
それだけの試験です。
5.プロセスを問う試験
技術士二次試験は“プロセス”を問う試験といっても過言ではありません。
よく、「箇条書きを活用する」という解答テクニックを聞きますが、この箇条書きの順番にも意味を持たせる意識が必要です。
プロセスとは、物事が進んでいく途中のステップや、目標を達成するためのやり方。
技術士として業務を遂行する際に、然るべきプロセスを踏んでいるかを問われます。
これが問われる試験と考えると、自ずと書きたくなりませんか?
日常業務で業務計画書や施工計画書を作成したり、打合せ資料や報告書を作成したり、
全ては順序立てられた作業です。
その取っ掛かりは、作業手順、打合せ次第、作業スケジュール、報告書目次、図面目録など。
これがいわゆる「箇条書き」レベルでプロセスを示したものです。
また、上手く作業が進捗しなかった時の工程調整、納期の交渉、人員や予算の再配分なども、日常実務の中で経験していると思います。
業務をうまく進める手順、うまくいかなかった場合の調整手順。
この二つを抑えていれば、技術士試験の問いに答えられるはずです。
必須Ⅰ、選択Ⅲ
背景→課題抽出→解決策→評価の一連のソリューション“プロセス”を解答
選択Ⅱ−2
体制→手順→方法→工夫→調整までを見据えたマネジメント“プロセス”を解答
プロセスを意識する。
それだけで解答は一貫し、説得力が増します。
6.口頭試験のある試験
技術士二次試験の筆記試験を通過すると次は口頭試験です。
実は口頭・口述試験のある国家資格って少ないのです。
ちょっと気になり調べてみました。
技術士 20分
司法試験(予備試験) 15〜20分
司法書士 10〜15分
土地家屋調査士 10〜15分
弁理士 10分
中小企業診断士 10分
技術士の口頭試験は、20分と長い!
私の分析によると、技術士二次試験は
般若心経(262文字)約20回分の写経・読経に匹敵します。
筆記も口頭もアウトプット量の目安は5400字。
技術士筆記試験
600字爪の原稿用紙×9枚=5400字
技術士口頭試験
20分×90%(受験者の回答時間の配分目安)×300字/分(アナウンサーが話す速度)=5400字
どちらの試験も心してかかる必要がありますが、写経よりも読経の方が圧倒的に難しいです。
この口頭試験の20分を戦い抜くことができるか?
そう考えると自然とスイッチが入ります。
実は、筆記試験から口頭試験までの約1か月の期間が一番伸びる時期なんです。
書く試験を突破したら、話す試験。
聞かれたら、技術士らしく答える試験。
その準備。筆記試験に比べて短期集中型。
こういう実践的な試験があることは、資格の信頼性の観点からもとても意義があると思います。
また、口頭試験を通過することで、資格者となった後の自信にもつながります。
以下は、直接聞かれることはあまりありませんが、覚えておくと安心です。
技術士の3義務2責務
しん 1信用失墜行為の禁止
ひ 2秘密保持義務
めい 3名称表示の場合の義務
こう 4公益確保の責務
し 5資質向上の責務
技術士のコンピテンシー
せん 1専門的学識
もん 2問題解決
まね 3マネジメント
ひょう4評価
こ 5コミュニケーション
り 6リーダーシップ
ぎ 7技術者倫理
けい 8継続研さん
技術士倫理綱領
あん 1安全・健康・福利の優先
じ 2持続可能な社会の実現
しん 3信用の保持
ゆう 4有能性の重視
しん 5真実性の確保
こう 6公正かつ誠実な履行
ひ 7秘密情報の保護
ほう 8法令等の遵守
そう 9相互の尊重
けい 10継続研鑽と人材育成
7.合格したら
合格したら、まず名刺に”技術士“と入れたい。
私はそう思っていました。
これって一見、“自己満足”のように感じるかもしれません。
でも実際は、技術士の一員となり、“社会に貢献してその使命を果たすという決意”を表明するものなんです。
初めて自分の名刺に“技術士”と入ったときに実感しました。
技術士となって得る「思想としての意義」。
やはり、これが一番ですね。
以上、Xでの投稿内容をまとめたものでした!
